憲法、憲法判例、憲法学習法

④最高規範である。

正解です。

一般に憲法には3つの特質が考えられています。

(1)制限規範・授権規範

Quiz1でもやりましたが、
今日、私たちが日本国憲法をもって憲法と呼ぶときには、
一般に立憲的意味の憲法を指します。

これは、国家権力を制約して、国民の自由・権利を守るものです。


まず何よりも確認してほしいのは、
憲法は国家権力を制限するものである、
ということです。

もちろん、国家権力が悪いことばかりするわけじゃありません。

警察、消防などから始まって、道路建設、整備、その他さまざまな公共サービスはなくてはならないものですね。

現在、民営化しているサービスでも、その性質上、公共性の高いものも多いです。また、私企業が安心して経済活動を行う上でも、国家がその基盤を整備することの必要性は高いです。

つまり、何らかの統治機構というものは必要不可欠です。

しかし、一方で国家は、市民に負担を課すことも事実です。

それらの中で、一番大きなものは税金でしょうが、
国によっては兵役を課している国もありますね。

また、私たちが何らかの行為を行おうとしたときに、
それを制限する法律が存在することもあります。
あるいは、役所の許可を得なくてはならないこともあるわけです。

こうした国家権力というのは、普段は意識しませんが、
実は大変強大なものです。
ですから、国家のことを暴力装置と呼んだりもします。
国家はどんな暴力団よりも多くの武力と人員と情報力を持っています。
あるいは、どんな大企業よりも経済力を持っています。

(ただし、経済の問題は、いまや一国レベルでは動かなくなってしまっており、別の問題を提起していますが。)

これが、むき出しの力になって表れたとしたらどうでしょう。

昔、「野生の証明」という映画がありましたが、
最後のシーン、ずらーっと並んだ自衛隊の戦車などに
たった一人の兵士が立ち向かって進んでいく。
そんなシーンで終わりになりました。

当時、私は確か中学1年だったのですが、
これがむき出しの国家というものか、
と感じた覚えがあります。

あるいは、国家に都合の悪い人間を犯罪者として処分する、など、
別の形で、国家権力が濫用されることもありえますね。
一定の思想や政治傾向を持った人間を捕らえるなどということは、
戦前は当たり前のように行われていました。

最近、再び売れている「蟹工船」を書いた小林多喜二、
この人は、警察の拷問で殺されました。
高名な哲学者三木清、創価学会の初代会長の牧口氏、共産党の指導者市川氏、など、何人もの人が獄死しています。

戦前には、こうした思想・政治活動を取締る
治安維持法という法律がありました。
この法律によっての逮捕者は何万人にものぼりました。
そして、数多くの獄死者を生み出しました。
その中には、拷問・虐待によるものも多かったと見られています。
(死者数について政府は発表していませんが、
犠牲者側の調査によると、拷問・虐待による死者は200人くらいということです。)

こうなると、
私たちの自由や権利''などというものは
あっさりと踏みにじられ''てしまいます。

先の治安維持法もそうですが、
歴史的に見れば、絶対王政など権力が強大な場合、
濫用される危険はきわめて大きかったのです。
もちろん、国民主権とは言っても、
実際には国家権力の濫用の危険は常に存在します。

ですから、統治機構が暴走し、
私たちを支配するものにならないように、
制限が必要なわけです。

これが、憲法の最大の役割です。
国家権力を制限し、国民の自由と権利を守るわけです。

「そんなこと言っても人権保障の条文なんて一部じゃん」

憲法の条文を読んだことがある方は、きっとこうおっしゃいますね。

「人権については第2章だけで、あとは、国会がどうした、とか、内閣がどうした、とか、そんな条文ばかりじゃないの」ってね。

そうですね。
憲法の中には、国会がどうした、内閣がどうのこうの、裁判所は、地方公共団体は、そんな条文がいっぱいあります。
これらが、人権分野に対して、統治分野と呼ばれていることはご存知でしょう。

この統治の分野について、
「そりゃあ、憲法だからね、国の仕組みを決めてるんだよ」
なんて、納得してちゃいけませんよ。

こういうのを授権規範っていいます。
国家機関に権力を与えていますもんね、
だから、授権、権力を授けるっていうんですね。

誰が授けているのかって?

もちろん、国民ですよ。

国民が権力を国家に授けているんです。

一体、何のために?

自分たちの自由と権利を守らせるためです。

国民の自由と権利を守るためには、国家が必要なんです。
あなたがアナーキストじゃない限り。

つまり、憲法の中の統治の規定は、
人権保障を実質化するためにあるのです。
すべては国民のためにあるのです。

国民主権の下、憲法は国家機関にその統治の権限を授けています(授権規範)が、これは、人権の保障(制限規範)を実効化するためにこそ授権されたものです。

こうして憲法は、制限規範であると同時に授権規範でもある、ということになります。

(2)最高法規

このように憲法は、授権規範として、国家機関に権限を授けます。これは言い換えると、国会が作る法律など、他の法規範の上位に憲法が位置することを意味します。つまり、憲法は最高法規なわけですね。

日本国憲法は、第10章において「最高法規」と題して3つの条文を置いています。このうち97条は基本的人権の不可侵をうたい、実質的な最高法規制を宣言し、それを受けて98条が形式的効力の最高性を確認し、99条が、公務員の憲法を守る義務(尊重擁護義務といいます)を規定しています。

(3)基本価値秩序の基礎

以上のように憲法は最高法規であって、国家の根本秩序を定めた法規範です。ですから、憲法は、法規範全体の基本的価値をも定めるものなわけです。日本国憲法は、その根本的な価値に「個人の尊厳」を置き、そのために個人の自由と人権を保障したわけです。

Quiz2へもどる
Quiz3へ

powered by QHM 6.0.4 haik
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional