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憲法10条

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第十条【日本国民の要件】
日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

1 本条文は、総司令部案にも、政府の憲法改正案にも見られず、衆議院での修正で付け加えられた規定であり、明治憲法の第2章、臣民権利義務の冒頭18条「日本臣民タルノ要件ハ法律ノ定ムル所ニ拠ル」という規定に倣ったもののようです。

2 この条文は、国籍の得喪についての法律主義を規定しています。(国籍法律主義)憲法は国籍保有の要件については、直接には何も明示していません。昭和25年制定時の国籍法は、父系血統主義を採用し、「出生の時に父が日本国民であるとき」(旧2条1号)と定めていましたが、昭和59年改正で両系血統主義に改められました。

3 国籍の取得
一般に国籍の取得には、出生を理由とする国籍取得と出生後の国籍取得があります。
(1)出生を理由とする国籍取得
これは、大きく血統主義と出生地主義に分けられます。読んで字のごとく、血統主義は親の血統に従って子の国籍を定めるもの。一方、出生地主義は、出生地によって子に国籍を与えるものです。日本は基本的に血統主義を採用していますが、国籍法2条3号は、日本で生まれた子の父母が知れないときや国籍を持たない場合には日本国籍を与えることとしています。
(2)届出を理由とする国籍取得
これは、血統上は日本国民の子であるのに、出生時には法律上、日本国民の子ではなかった子が、出生後に認知によって、法律上も日本国民の子となった場合です。この場合、届出によって日本国籍を取得できます。
(3)帰化
一定の要件をみたす外国人に対しては帰化によって日本国籍を取得することができます。これは国籍法5条から9条の規定を見ていただくとよいでしょう。

4 国籍の喪失
日本国籍の離脱については外国籍を持つことが条件になります。また重国籍解消のために、外国籍を選択した際には日本国籍を失うこととしています。なお、外国籍を持つ日本人が日本国籍を選択するためには、外国籍の離脱もしくは日本の国籍の選択を宣言することでも可能です。

5 重要判例
国籍法に関連する重大な判例としては、国籍法違憲判決(最大判平成20・6・4)があります。

6 関連条文
以下、国籍法の関連条文を挙げておきます。

(出生による国籍の取得)
第二条  子は、次の場合には、日本国民とする。
一  出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
二  出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
三  日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。

(認知された子の国籍の取得)
第三条  父又は母が認知した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
2  前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

(帰化)
第四条  日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつて、日本の国籍を取得することができる。
2  帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない。

第五条  法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
一  引き続き五年以上日本に住所を有すること。
二  二十歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
三  素行が善良であること。
四  自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。
五  国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
六  日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
2  法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

第六条  次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一  日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
二  日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
三  引き続き十年以上日本に居所を有する者

第七条  日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するものについても、同様とする。

第八条  次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
一  日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
二  日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの
三  日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの
四  日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

第九条  日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第五条第一項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる

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