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憲法30条

憲法30条

第三十条【納税の義務】
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

日本国憲法は、国民の個別的義務として、教育を受けさせる義務、勤労の義務、そして納税の義務を規定しています。

ただし、「国民は」といっても、外国人や法人も納税の義務を負います。

これは明治憲法21条「日本臣民ハ法律ノ定ムル所二従ヒ納税ノ義務ヲ有ス」とほぼ同じものです。GHQ草案にも、政府の憲法改正草案にも、このような条文はなく、衆議院にて付け加えられたものです。

これについて、宮沢俊義は、「国民が主権者として支配する国の財政を維持することは、なにより『国民』の責任」とし、このような規定はなくてもよいものだが、特に重要な義務ということで規定された、と述べています。(宮沢俊義「全訂日本国憲法」日本評論社)

一方、30条を、84条に重ねて租税法律主義を規定したものと解釈する考えもあります。明治憲法21条を臣民の義務を規定すると同時に、租税法律主義をも意味するという考え(たとえば、清水澄「帝国公法大意」清水書店、1936)もあったことを考えれば、それなりに説得力もありますが、わざわざ衆議院が84条に付け加えた意味はあまりはっきりしません。

結局のところ、本条は、政治道徳的な訓示として、「国民の責任」を示したものと考えるのが妥当だと思われます。その意味では、あくまでも臣民の義務を規定した明治憲法21条に対し、文言上はほとんど同じものであっても、主権者の心構えを規定したと考えるべきでしょう。

なお、池田香代子さんの「やさしい言葉で日本国憲法」(マガジンハウス)では、やはり納税の義務を、「税金を払う責任」と言い換えており、主権者として国家の存立と運営を支えていくという視点が示されており好感が持てます。

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