憲法、憲法判例、憲法学習法

憲法51条

憲法条文

第51条 
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

免責特権

議員は「全国民を代表」します(憲法43条1項)。選挙区の人々の利害だけではなく、全国民の利益になるような統一的な政策を考えるべき存在なわけです。

このように国民代表制をとる日本国憲法は、主権者からの議院の法的独立を確保するために免責特権を保障しました。

主体

免責特権の主体は、あくまでも国会議員です。国務大臣等、他の資格を併せ持つ議員も、議員の資格で行った言論活動について免責特権は保障されますが、国務大臣等の資格で行った演説等には免責は及びません。

地方議会の議員には、この特権は及びません。地方議会の議員は、国会議員のように、全国民の代表という性格は持たず、むしろ住民意思に直結していることが期待されており、主権者からの法的独立は問題にならないからです。

免責対象

免責の対象は、「議院で行った演説、討論又は表決」です。これは、国会の開会中に限らず、また、本会議、委員会、懇談会等での院内活動や、地方公聴会のように、院外であっても職務上行った「演説、討論又は表決」は対象となります。

ただし、職務行為と関係のない私語や野次は免責対象になりません。

演説等に付随して行われた行為についても、免責が及ぶというのが通説です。しかし、暴行、障害などは、いかなる意味でも職務行為ではありえないので、免責されません。このように、議員の職務行為に付随して犯罪が行われた場合、議院の告発がなくても、訴追が行われうると解されています。

効果

院外で責任を問われない、とは、刑事上民事上の法的責任を負わないという意味です。

つまり、議員は発言を理由とした刑事上の訴追(侮辱罪、名誉毀損罪など)も、民事上の損害賠償責任(名誉毀損、プライバシー侵害)も負いません。また、公務員の懲戒責任、弁護士会の懲戒責任も負わないとされます。

国会議員の発言により名誉を害された病院の院長が自殺した事例で、判例(最判平成9・9・9)は、国会議員の発言が名誉毀損にあたるような特別の事情がある場合、国の賠償責任の可能性があることを示唆しました。

ただし、その特別な事情とは、「職務と関わりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、または虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、議員がその権限の趣旨に明らかに背いたと認められること」とし、本件においては、そのような特別の事情を認定せず、賠償請求を棄却しています。

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