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憲法61条

憲法条文

第61条【条約の国会承認と衆議院の優越】
条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

59条から本条まで、議会の議決についての規定が並んでいますね。

59条は法律案の議決
60条は予算の議決
61条は条約の承認

基本形は、59条です。

それに対して、予算は、より緊急度が高いということで衆議院の優越を強くしています。

そして、61条は条約の承認についても、60条2項を準用しました。

第60条2項
予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

これについては、60条の解説もみていただけたらいいと思いますが、

両院の議決が一致しない場合、両院協議会を開かなくてはいけません。
ここで意見が一致しなければ、衆議院の議決が国会の議決になります。
また、参議院が30日以上ほったらかしにした場合も、衆議院の議決が国会の議決になります。

いずれにせよ、衆議院の再議決の必要性はないんですね。

ですが、準用は2項のみで、1項はしていません。つまり、条約の承認に対しては衆議院の先議権はないんです。

では、なぜ衆議院の再議決の必要がない部分だけは取り入れたか。

衆議院の再議決の必要がある場合、これは三分の二の賛成が必要になります。
もし、衆議院で多数派が過半数は占めているが、三分の二にはいかない場合、再議決できるかは微妙です。

この場合、
反対派をうまく切り崩して、こちらにつけるとか、
反対派の議員を監禁・殺害して、本会議に出席できないようにする(もちろん冗談ですが、これが冗談ではすまない国もあります。)

などの手段を講じなければなりません。

法律案であれば、そこまで緊急ではないものも多く、成立しないなら成立しないでいいんです。
衆議院の過半数、つまり、ある一定の時点での過半数だけでは、法律は成立しない、って考えたとしても、
それは、単に、法技術上あるいは思想上の問題です。

もう少し、国民のコンセンサス(つまり参議院を通過するか、衆院の三分の二か)を必要としたところで、問題ないわけ。

でも、条約っていうのは、相手国あってのもので、予算ほどの緊急性はないかもしれないけれど、
国際関係上、信義にもとるような行為はできないわけです。

そこで、一般の法律とは異なってくるわけですね。
しかし、衆議院先議については、これは沿革的にも予算にかかわるものに認められてきたことですし、
あえて、条約の承認について準用する必要性は認められなかった、ということですね。

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