憲法、憲法判例、憲法学習法

憲法7条

憲法条文

第7条 
天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。 
 一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
 二 国会を召集すること。
 三 衆議院を解散すること。 
 四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
 五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。 
 六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
 七 栄典を授与すること。
 八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
 九 外国の大使及び公使を接受すること。
 十 儀式を行ふこと。

各号の解説

一号 憲法改正、法律、政令および条約の公布
公布とは、広く国民に知らせる正式な行為のことです。ただし、これらの成立は、7条の公布によるのではありません。(憲法に所定の手続きがあります。96条、59条、73条など)これらが国民に対して効力を持つために公布が必要なわけです。

二号 国会の召集
召集とは、国会議員を集め、会期を開始させることです。召集の決定権がどこにあるのか、常会・特別会については憲法に規定がありません。(臨時会については53条により、内閣に決定権があります。)

三号 衆議院の解散
解散とは、任期満了前に議員の身分を終了させることです。もちろん、これは衆議院にのみ妥当します。解散の決定権についても議論がありますが、くわしくは69条で取り扱いましょう。

四号 国会議員の総選挙の施行の公示
総選挙と言っていますが、これはいわゆる衆議院の総選挙だけでなく、参議院の通常選挙も含みます。施行の公示とは、選挙期日を決め、国民に知らせることです。

五号 国務大臣およびその他の官吏の任免の認証、全権委任状・大使・公使の信任状の認証
認証とは、一定の行為が適法になされたことを公に証明することです。

六号 恩赦の認証
六号の大赦以下に列記された事項を、総称して恩赦といいます。恩赦とは、訴訟法上の手続きによらずに、行政権が犯罪者を赦免することです。これの決定権限は内閣にあります(73条7号)

七号 栄典の授与
特定の人の功労や栄誉を表彰するための位階や勲章などの特別の待遇を栄典といいます。ここでは、授与の認証ではなく、授与そのものが天皇の国事行為とされていることに注意してください。六号の恩赦については、認証が天皇の行為でしたね。

八号 批准書や外交文書の認証
批准書とは、国と国の間の合意である条約の内容を確定させる書面のことです。

九号 外国の大使・公使の接受
もともと接受とは、国際法上の用語で、外国の外交使節に承認を与え、その信任状を受理する行為のことです。実際にも、外国の信任状は、通常、あて先が天皇になっており、天皇に提出されています。これに対し、学説の多くは、これらの権限は内閣に属し、天皇は儀礼的な接見行為のみを行うべきとしています。

なお、日本の信任状は、天皇は認証するのみ(7条五号)で、実際の発行権限はもちろん内閣にあります。

十号 儀式を行うこと
通説は、天皇が儀式を主宰することと理解しています。なお、これは国家的性格の儀式を指し、それは宗教的なものであってはなりません。

まとめと覚え方

どうですか。長くて覚えられない、という声が聞こえてきそうですね。では、ごく簡単にしてみましょう。

一 憲法改正・法律・政令・条約公布
二~四 国会召集、解散、選挙の公示
五 大臣・認証官の任免および全権委任状・信任状の認証
六 恩赦の認証
七 栄典授与
八 批准書認証
九 大使の接受
十 儀式主宰

まとめてみると、少しは取り組みやすいでしょうか。

ちなみに、私は昔、
「建国の大恩、エイヒレの大義」
と覚えました。

その他

まず、国事行為の数は全部で何個でしたか?そう13個でしたね。この数は覚えてしまいましょう。

本条以外に国事行為は三つ出てきました。
4条2項の「国事行為の委任」
6条1項2項の、内閣総理大臣の任命、最高裁長官の任命でした。

天皇は、憲法が定める国事行為以外にも、実際には、公的行為を行っています。
この行為の性質については、憲法4条の解説をみてください。

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