憲法、憲法判例、憲法学習法

表現の自由判例整理

憲法判例解説

表現の自由判例の整理

1 報道の自由・取材の自由

:取材・報道の自由が問題になった判例

石井記者事件(最大判昭和27・8.・6) 
刑事事件において、取材源を秘匿した新聞記者に証言拒絶権を認めず。

博多駅事件(最大決昭和44・11・26)
報道の自由は国民の知る権利に奉仕するものとして、憲法21条の保障のもとにあり、取材の自由も憲法21条の精神に照らし尊重に値するが、公正な刑事裁判を実現する必要性と比較衡量した上で制約を受けることもある。

沖縄秘密電文漏洩事件(西山記者事件)(最決昭和53・5・31)
新聞記者が公務員に秘密の漏洩をそそのかした場合、それが真に報道の目的を持ち、手段・方法が相当であれば正当な業務行為とされる。

島田記者事件(東京高決昭和54・8・31)
取材源を民事訴訟法上の職業の秘密として秘匿を認めた。

日本テレビビデオテープ押収事件

TBSビデオテープ押収事件

サンケイ新聞意見広告事件(最判昭和62・4・24)
反論文の無料掲載請求権は認められない。

2 公判廷における表現の自由

北海タイムス事件(最大決昭和33・2・17)
公判廷の状況を報道するためでも、訴訟関係者の利害を不当に害することは許されない。公判廷内の写真撮影許可制は合憲。

レペタ事件(最大判平成元・3・8)
法廷内のメモを取ることも尊重に値する。

3 検閲と事前抑制

:検閲や表現行為の事前抑制が問題となった判例

税関検査事件(最大判昭和59・12・12)
税関検査は検閲にあたらず。検閲の定義。

「エロス+虐殺」事件

北方ジャーナル事件
裁判所による事前差止は検閲にあたらない。公共利害事項は原則差し止め禁止だが、例外的に仮処分を許容。

岐阜県青少年保護条例事件

4 表現内容規制

:表現の内容に注目して規制した判例

(1)煽動罪

食管法違反煽動事件(最大判昭和24・5・18)

渋谷暴動事件(沖縄デー破防法事件)(最判平成2・9・28)
破防法の煽動罪を合憲とした判決

(2)わいせつ表現

チャタレイ事件(最大判昭和32・3・13)
チャタレイ3要件(いたずらに性欲を興奮・刺激、普通人の正常な性的羞恥心を外資、善良な性的道義観念に反す)定立。芸術性はわいせつ性を否定せず。

「悪徳の栄え」事件(最大判昭和44・10・15)
わいせつ性は、文書全体との関連で判断。

「四畳半襖の下張」事件(最判昭和55・11・28)
わいせつ性の判断においては、性に関する露骨で詳細な描写叙述の程度・手法・文書全体に占める比重・表現された思想との関連性、文書の構成や展開、芸術性・思想性による性的刺激の緩和の程度、文書を全体としてみたとき、主として読者の好色的興味に訴えるものか否か、などの事情を総合的に検討すべき。

(3)プライバシーと表現の自由

「宴のあと」事件(東京地判昭和39・9・28)
プライバシーを権利と認め、プライバシー侵害の3要件を定立。

「エロス+虐殺」事件(東京高決昭和45・4・13)
表現行為による人格的利益の侵害に対する救済として将来の侵害の予防が認められるかどうかは、事前差し止めによる不利益と、侵害による不利益を比較衡量

ノンフィクション「逆転」事件

「石に泳ぐ魚」事件

長良川事件実名報道訴訟(最判平成15・3・14)

(4)名誉毀損について

「夕刊和歌山時事」事件
刑法230条の2の真実性要件を緩め、真実であると信じたことに相当の理由があればよいとした。

「月刊ペン」事件
刑法230条の2の「公共の利害に関する事実」に、社会的影響力の者の私生活も含まれるとした。

北方ジャーナル事件(既出)
公正な論評(最判平成元・12・21)

(5)営利表現

あん摩師等法事件(最大判昭和36・2・15)

5 表現内容中立規制

:表現の時・場所・方法に注目して規制した判例

屋外広告物条例事件(最大判昭和43・12・18)
美観風致の維持は公共の福祉

愛知原水協事件(最大判昭和45・6・17)
軽犯罪法によるビラ貼り規制は合憲

駅構内ビラ配布(最判昭和59・12・18)
駅構内におけるビラ配布に対し、鉄道営業法35条を適用しても合憲。伊藤補足意見はパブリックフォーラム論を展開。

大分県屋外広告物条例事件(最判昭和62・3・3)
大分県屋外広告物条例による立看板の規制は、美観風致を維持する公共の福祉のため許された合理的な制限。

街頭演説許可制(最判昭和35・3・3)

戸別訪問禁止規定(最大判昭和25・9・27)

法定外文書図画頒布禁止事件(最大判昭和30・4・6)
選挙期間中の文書図画の頒布・展示の一定の規制は公共の福祉のための必要最小限の規制

政見放送削除事件(最判平成2・4・17)
政見放送中の差別発言は削除しても公選法に違反しない。

6 明確性の理論

徳島市公安条例事件(最大判昭和50・9・10)
ある刑罰法規があいまい不明確のゆえに違憲かどうかは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるかどうかの判断できるかで決定。

岐阜県青少年保護育成条例事件
有害図書の自動販売機への収納禁止は、成人に対する関係でも、有害図書の流通を幾分制約するが、青少年の健全な育成のために必要よむをえない規制。

7 集会の自由

皇居前広場事件(最大判昭和28・12・23)
公共福祉用財産の利用の拒否は、管理権者の単なる自由裁量に属するものではない。傍論による憲法判断。

泉佐野市民会館事件(最大判平成7・3・7)
市民会館の使用の不許可が許される「公の秩序をみだすおそれがある場合」とは、集会の自由の重要性よりも、人の生命・身体または財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避・防止することの必要性が優越する場合と限定。危険性については、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見できること。

上尾市民会館事件

新潟県公安条例事件(最大判昭和29・11・24)
一般的許可制は違憲。

東京都公安条例事件(最大判昭和35・7・20)
本条例は文面は許可制だが、不許可の場合が厳格に制限されており、実質は届出制と異ならない。

徳島市公安条例事件(既出)

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